逗子市郷土資料館の廃止へ説明会。市民からは拙速すぎる廃止案、まず登録有形文化財指定、所蔵文化財の保管と公開方法示すべき!
11月16日、市役所5階会議室で、逗子市都市公園条例の一部改正(郷土資料館の廃止)についての市民説明会が行われ、岩室議員も参加しました。
今回の説明会は、財政対策プログラム(事業縮小・廃止による再生再建計画)によって、逗子市郷土資料館が休館に追い込まれた中で、建物の老朽化によって、施設内に保管してきた貴重な文化財を保管していくことが困難と判断し、休館でなゆく廃止するための条例改正について、説明会を行ったものです。
廃止に伴う問題点は、条例改正によって「郷土資料館」の部分を削除し、文化財を公開展示する常設施設がなくなるわけです。市政30周年記念事業として郷土資料館が整備された経緯からも、建物の維持管理の方向性、さらに文化財資料の保管場所や今後の展示公開方法なども方針が明確でなく、「廃止」だけが先行しているものとなっています。
当日の参加者は11人、質問や意見では、「財政的に維持管理が難しいなら、国から補助制度もある『登録有形文化財』の登録をすべきではないか?」「台風被害だけでなく、最近は建物や周辺も、手入れがされていない」「来館者数が減ったと言っても、施設までたどり着けないし、展示も同じものが置かれている。景観もよいが、施設のリピーターもいないし、できない、行政は努力したのか?」など、厳しい意見がありました。また、「説明会なら、教育委員会だけでなく、今後、建物の移管を受け、維持管理にあたる都市環境部緑政課の職員もいなければ、意見も出せない」と不満が噴出しました。
教育委員会は、あくまで文化財を保管・展示する資料館としての活用が困難となっているので理解を求める姿勢に終始しました。また、質疑では、登録有形文化財の指定については、教育から緑政課に建物管理が移動しても、脇村邸と同様に指定に向けて、検討を進めるように要請したいと答弁がありました。維持管理については、予算もなく(台風被害対応など)、管理方法(直営→委託による契約制限)も変わり、十分な対応ができていなかったことは率直に認めていました。池子資料館への展示物を移動し、公開するには、現在の「日米共同使用」の協定(池子文化財に限定)からも、日米合同委員会における合意の必要性もあるようです。
今後、貴重な建物保全と管理、文化財の保管と展示方法について、十分な検討がされる必要があり、その点でも教育委員会、市長部局に関係なく、行政として市民が安心できる方向性を示すことが迫られています。
写真は①市役所会議室、②脇村邸の登録有形文化財の標識。